根暗騎士による溺愛満喫中のブサ猫、実は聖女です! - かのん

内容紹介
「……猫? 大丈夫か?」
濡れて汚いぐしょぐしょの私を、自分の洋服を脱いでそれを掛けて優しく抱き上げてくれた。
温かかった。
「なおーん」
誰だろか。
天使だろうか。
重たい瞼を開けてみると、貴族の中で〝根暗騎士〟と揶揄されていた男性であった。
舞踏会の場でもいつも黒く長い前髪を下ろし、目元を隠し、会場の隅にいた。
「もう大丈夫だ。心配するな。すぐ治療院に連れて行ってやるからな」
天使である。
もし人間に戻れたならば、根暗とか言った人を私が見返してあげよう。
こんなブサ猫に優しい声をかけて、抱き上げてくれるなんて、天使以外にありえない。
意識が朦朧としながら思ったのであった。
「ぶにゃぁぁぁ」と何とも情けないが幸せそうな声を漏らすのは、一匹の不細工な猫であった。そんなブサ猫を優しく洗っていたのは舞踏会では根暗騎士と揶揄されるイシスであった。そして実はこの幸せそうなブサ猫、呪われて不細工な猫に変えられてしまった聖女ティアナであった!
この物語は、呪われてブサ猫に変えられてしまった美しい聖女ティアナと、根暗騎士イシスによる溺愛の物語である。なんか求めていた溺愛とは違うけれど、ブサ猫ライフ最高! とティアナは思いがけず幸福なブサ猫溺愛ライフを満喫中。しかし、イシスに女性の陰を感じたティアナは自分の中に芽生えた恋心にきがついて⁉
ブサ猫ライフを満喫したり、神殿を陥れようとする魔術師達の陰謀に巻き込まれたりと大忙し!
異世界恋愛小説異色の、ブサ猫溺愛ライフ開幕!
編集部より
ミーティアノベルス完全書き下ろし作品!
呪いによって猫に……それも不細工な猫に変えられてしまった聖女ティアナ。
しかし根暗騎士と揶揄されるイシスに拾われ、これでもかと溺愛を受けることに。
かつて恋愛や「溺愛」に憧れていたティアナ。いまの状況がイメージしていた「溺愛」とは全く違うんだよな~と思いつつ、居心地の良さに今日もイシスの腕の中でうとうとするのでした。
そしてブサ猫ライフを満喫しているうちに陰謀に巻き込まれたり、猫としてではない気持ちに気づいたりして……?
異色のブサ猫溺愛ラブ! ぜひお読みください!