隠夜の鬼 - 朔雲みう
内容紹介
「それなら、とっておきの話があるよ」
「えっ、なになに!?」
卓から身を乗り出すようにして訊くと、祖母はにやりと笑い、つくったような低い声音で言った。
「鬼が出るんじゃ――」
第8回星の砂賞 優秀賞受賞作品
夏休み――
田舎へ遊びに来た美緒は、森の中で鬼の少年に出会う。
鬼はね、
隠れ鬼をする子供たちの元へ
現れて、子供を攫っていくんだよ――
彼は、祖母が話してくれた《鬼》なのか――……?
夏の森で紡がれる、絆の物語――
編集部より
人間社会と隣り合うようにして存在する非日常の世界へと読み手を誘う、幻想的な物語です。
ラストには思わずホロリ……!? 爽やかな読後感が残る傑作をぜひお楽しみください!