このイケメン、××につき - 結月美鶴
内容紹介
「カケルくんはめちゃくちゃ格好いいんですよ」
「だから?」
「イケメンは正義なんです!」
勢い豪語したその瞬間、初めて隣の男と目が合った。
こちらを睨む、ややつり上がった目つきの悪さが逆に美しい。呆れたように突き出した唇の厚みも色っぽいし、つやつやした黒髪を斜めに流すバランス感覚は自分の見せ方を知っている人間のそれだった。
「マジで言ってるの?」
「えっと……ほ、本気です!」
あまりのイケメンぶりに、思わず声が上ずった。彼は国宝級アイドル、松宮カケルにそっくりだったのだ。
派遣社員として働く沙弓は、アイドルグループの推しメン、カケルにハマっていた。ある日、ニューヨークから同じ部署に、年下で俺様、超生意気なイケメン、柴野が転勤してくる。なにより沙弓を驚かせたのは、彼の顔がカケルとそっくりだということ。
二人は別人だと思いながらも、案外優しかったりする柴野にだんだん惹かれていく沙弓。だけど、柴野のものすごいバックボーンを知ってしまい――。
編集部より
ミーティアノベルス完全書き下ろし作品!
アイドルグループ「MontBlanc」のメンバーである「カケル」にハマって一筋十二年、オタク街道を貫いてきた沙弓。
しかしそんなカケルが結婚したとの報道に、社員食堂で思わず絶叫。
「馬鹿じゃねぇの」
冷たい声に視線を向ければ、横にいたのは転勤してきたばかりの年下エリート社員・柴野でした。
彼はなんと、カケルそっくりな容姿をしていて、色んな意味でショックを受ける沙弓……。
その後も柴野に絡まれる沙弓ですが、生意気で嫌味ったらしいと思っていたら意外に優しいところもあって……?
そして彼にはある秘密が―― ぜひお楽しみください!