電子書籍「ネット文庫星の砂」

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「このたび、乙女ゲームの黒幕と婚約することになった、モブの魔法薬学教師です。」 - 柳葉うら

このたび、乙女ゲームの黒幕と婚約することになった、モブの魔法薬学教師です。 - 柳葉うら

第5巻 内容紹介

「すまない。危険に晒すとわかっているけど、レティシアを手放すつもりは全くないんだ」
 自分ではないだれかに寄り添うレティシアを見たくない。
 それが我儘なのは百も承知だが、どうしても譲れないのだ。
 レティシアの隣は何者にも渡さない。
 そこは私の居場所だ。
「どれだけ振り回してくれたっていい。レ ティシアが寿命を縮めてくるなら私の 魔術で延命してつき合うつもりだ。覚悟はできているから、これからもそばにいさせてくれ」
 どれだけ注意を払っても、レティシアは予想の斜め上の行動をとって私を翻弄させる。
 今回のことだって、宿を抜け出してくることまでは想定内だったが、まさかメルヴェイユ国王と一緒に現れるとは思いもよらなかった。
「レティシアのこと、今度こそ守るから」

 生徒たちを修学旅行に引率していたレティシアは、攻略対象であり敵国のスパイでもあるオルソン・ドルイユを魔獣化から救ったあと、意識を失ってしまった。
 無事に目覚めたレティシアを待っていたのは、ノエルからの手厚い看病と溺愛だった。包み隠さず好意を向けてくるノエルに、レティシアはときめきながらも戸惑いを隠せない。
 そんな中、終盤イベントである学園祭が始まる。ゲームの展開では、この学園祭で敵国メルヴェイユ王国の魔術師たちが送り込まれ、黒幕のノエルは命を落としてしまうのだ。
 ノエルや生徒を救うためレティシアは奔走するが、予想外のことが立て続けに起こる。
 果たしてレティシアは、ノエルをシナリオの強制力から守り、生徒たちを無事に卒業させることができるのか!?
 そして、目的のために婚約をし、すれ違いながらもいつの間にか惹かれ合っていたノエルとレティシアの結末は――。

※電子書籍限定で書き下ろしが、2本収録されています。
 

 

第4巻 内容紹介

 不審に思ったところで、ふと気づいた。
【私】は誘われるように人影のほうへと引き寄せられていく。私の興味の赴くままに。私が、【私(リュフィエさん)】の体を動かしている。
 これまでの夢では起こらなかった展開に胸が騒めいた。
 ――この夢は、いつもと何かが違う。
 恐ろしくなって足を止めると、時を同じくして風がそよぎ、月を隠していた雲を流す。
 月明かりに照らされて彼の顔が鮮明に映った。
「ノ、エル……?」
 ドクン、と心臓が大きく脈を打つ。
 紫紺のローブを身に纏い、無表情を顔に貼りつけたノエルが、じっと私を見ていた。
 ゲームではこの場面で彼が映り込むことなんてなかったにも関わらず、今、彼はリュフィエさんの目の前にいるのだ。
 違和感がじわじわと恐怖心を煽っていく。
「あなたは、何者なんですか?」
 彼は私に向かって、確かにそう訊ねてきた。
 そうして紫水晶のような瞳に射るように見つめられると、体が動かなくなる。
「あなたの味方よ。あなたが幸せになれるように、あなたのことを守るから……」
 だからどうか、敵ではないと信じてほしい。そう願いを込めているけど、口から出てくる声は頼りなく消えていく。
 彼は鼻で笑うと、顔を歪めた。

 これから起こるイベントを予知するような夢をたびたび見るレティシアは、新たに見た夢のせいで不安を抱えていた。
 ゲームで黒幕だったノエルが闇落ちする可能性は低くなったものの、いまだにゲームと同じイベントが発生していることで、なんらかの強制力が働いているのだろうと警戒する。今まで何とか危機を回避できているとはいえ、シナリオが終わる学園卒業まではまだまだ油断はできない。
 そんな中、レティシアはゲームの攻略対象の一人であるディディエ・モーリアの頼みで、実家が治める領地で生徒たちに職業体験をさせることになった。いざ実家に帰ると、そこには父と兄、見知った使用人たちと一緒に、レティシアが失恋した相手、ジスランの姿があった。
 ノエルから、よそ見をしないようにと釘を刺されたレティシアは、もしかするとノエルは婚約破棄されることを心配しているのかもしれないと思い、自分の気持ちを素直に伝えるのだった。
 触れ合うことが増えたせいなのか、ノエルにドキドキとすることも多くなり――。
  
 これは、互いの目的のために婚約を結んだ二人がいつの間にか惹かれ合う、すれ違いラブコメディ。
 ※電子書籍限定で書き下ろした話が2本収録されています。
 

 

第3巻 内容紹介

(それにしても……、魔王の次に珍しい職業が出てきたわね)
 私は手元の進路希望調査書に再び目を落とす。
 攻略対象の一人で、このノックス王国の第二王子のアロイス・エヴラール・ノックス殿下の進路希望調査書で、彼は迷いのない文字で「国王」と書いているのだ。
 前世でもこの世界でも、なかなかお目にかかれない職業の綴りを指先でなぞると、自然と頬が緩む。
しっかりとした筆致で書かれたその文字から、彼の決意が感じ取れて涙が出そうになった。
アロイス殿下は私の推しだ。
人を寄せつけないオーラを纏っているため【氷の王子様】の二つ名を持っていたけれど、最近は同級生たちに歩み寄るようになった。
(アロイス殿下なら立派な王様になれるわ!)
 学外研修以来、アロイス殿下は以前よりも積極的に人と関わろうとするようになったし、リュフィエさんたちと気安く話しているのをよく見かける。
(卒業したあとも、今のようにみんな仲良くしていたらいいな)
 身分の壁が立ちはだかるかもしれないけれど、お互いを助け合う存在であり続けてほしい。そうすればきっと、何があってもみんなで乗り越えていけるから。

 乙女ゲームの舞台となる学園の教師に転生したレティシアは、生徒たちをバッドエンドから守るため、日々奮闘している。
 暴走気味な作戦が功を奏して(?)、ゲームの中で黒幕だったノエルが確実に良い方向へ変わってきていると感じたレティシアは、このままノエルの闇落ちを防いでいきたいと思うのだった。

 そんな中、ノエルの提案で共通の恩師であるロアエク先生に会いに行き、婚約した事を報告することになった。けれど、大切な恩師にノエルと恋愛結婚したという嘘をつくのは……と戸惑うレティシアをよそに、ノエルはまるで本当に愛し合っているかのような迫真の演技をし、レティシアは後ろめたい気持ちに襲われる。
 しかし、先生はすべてお見通しで――。

 これは、目的のために婚約を結んだ二人がいつの間にか惹かれ合うすれ違いラブコメディ。
 ※電子書籍限定で書き下ろした話が2本収録されています。
 

 

第2巻 内容紹介

「ノエル、手を出して」
「こう?」
 事もなげに差し出された手は綺麗で、鱗なんて一つも見当たらない 。
(今のところは何ともないみたいね。だけど、いつかノエルの手にあの鱗が現れたらどうしよう……)
 ゲームの中のノエルは今朝のトラウマシーンのあと、人の姿を失う。ドラゴンとなって暴れ出し、最後には命を落とすのだ。
 目の前にいるノエルにはそんなこと、絶対にさせたくない。
「体調は大丈夫?」
「ああ、何ともないよ」
「本当に?」
「……急にどうしたの?」
 どうしたのかと聞かれても「夢の中で闇堕ちしたあなたを見ました」だなんて言えなくて、ただ当たり障りのないことしか伝えられないのがもどかしい。
「ノエルのことが心配なのよ」
「第二の母上とやらは私に甘いな」 
 ノエルは笑ってそう言うと、私を座らせてお茶を淹れてくれた。
 あんな夢を見てしまったせいで、ついついノエルの様子を窺ってしまうけれど、向かい合って座っているノエルの表情は柔らかくて、夢の中で見た彼と同じ人物とは思えない。

 失恋をきっかけに、やり込んだ乙女ゲームの舞台となる学園の教師に生まれ変わったレティシアは、生徒たち(特に推しの王子)をバッドエンドから守るため、魔性の美貌を持つ黒幕――侯爵家の跡継ぎであるノエルに契約結婚を持ち掛けた。
 ノエルが闇落ちするきっかけとなった恩師ロアエク先生の呪いを無事に解いたものの、ゲームのシナリオが続く限り油断はできない。
 冬期休暇が目前に迫ったある日、レティシアはノエルから、近日中に出張に行くと知らされた。
 出張する時期と行き先の情報から、乙女ゲームで起きた展開を思い出したレティシアは、ノエルを引き留めるものの失敗してしまう。
 その代わり、ノエルと生徒たちをレティシアが企画するパーティーに招待して、彼らと親睦を深めることでノエルが闇堕ちする可能性を少しでも潰すことにした。さっそくパーティの準備のため王都に出かけた矢先、突然血だらけの黒いドラゴンの子どもが降ってきた。ドラゴンの瞳の色がノエルに似ていることで嫌な予感がしたレティシアは――。

 これは、目的のために婚約を結んだ二人がいつの間にか惹かれ合うすれ違いラブコメディ。
 ※電子書籍限定で書き下ろした話が、2本収録されています。
 
 


第1巻 内容紹介

(改めて見ると、攻略対象に負けず劣らずイケメンね)
 回廊に寄りかかるノエルをそっと盗み見て、思わず感嘆の息を零した。
 ノエルはスラリと背が高く、文官にしては引き締まった体躯をしている。|白皙《はくせき》のような肌に映える濡れ羽色の黒髪は少し長めで、それをこなれたように後ろに流しているのがまた、大人の色気を醸し出している。
 おまけに顔のパーツはどこをとっても文句のつけようがないくらいに整っている。特に紫水晶のような瞳は本当に魅入ってしまいそうだ。
 極めつけは、左目の下にある泣きぼくろ。計算されたかのように配置されたそれが、艶っぽさを醸し出している。 
 回廊の柱に体を預け、遠くを見つめているだけなのに、その後ろ姿は色香が漂っている。見ていると、なんだか悪いことをしてしまったような気分になってしまうほど。
(うわぁ……さすがは、プレーヤーたちから魔性の黒幕と呼ばれた男ね)
 前世でこの乙女ゲームをプレイしている時は何とも思わなかったけれど、こうして本物が目の前にいると、つい魅了されてしまいそうになるから恐ろしい。
 実際に彼は出会う人をことごとく魅了しており、身分に関係なく人気がある。

 気後れするけれど、私は今からこのイケメンに話しかけなければならない。生徒たち――メインキャラクターを守るためにも、私がこの黒幕に向き合わなければならないのだ。

「私と、結婚してくれませんか?」
 失恋をきっかけに、自分が乙女ゲームの世界に転生したことを悟ったレティシア。ゲームの舞台となる学園のモブ教師に生まれ変わった彼女は、生徒たち(特に推しの王子)をバッドエンドから守ろうと誓う。
 さっそく行動に移したレティシアは、魔性の美貌を持つ黒幕である侯爵家の跡継ぎのノエルを近くで監視するため、条件を提示し、婚約話を持ちかけた。

 利害が一致した二人は婚約することになったのだが、ノエルは警戒心が高い。そのノエルに対して、自分への懐柔度を上げようとレティシアは日々、奔走するのだった。
 一方で、ノエルはレティシアが気になりだし、彼女を他の人に取られないように包囲網を張り巡らせ始める。
 そんなノエルの気持ちには気づかず、レティシアは爆走気味な作戦を繰り出してはノエルをたじたじにさせるのだった。

 これは、互いの目的のために婚約を結んだ二人がいつの間にか惹かれ合う、すれ違いラブコメディ。


 

編集部より

 人気作品がミーティアノベルスに登場!
 転生先は悪役令嬢……ではなくモブの教師。バッドエンドを回避するために黒幕を懐柔することを目論みます。
「乙女ゲーム転生」や「偽装婚約」、「すれ違い/勘違い」といった人気要素が盛り込まれていながら、それらがけんかすることなく丁寧な筆致で描かれていて、二人にじらされながらも先を読む手が止まりません!

 全5巻でお送りする本作は、すべての巻に電子書籍版限定書き下ろしを収録!
 WEB版を既読の方もぜひお楽しみください!
 

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