遠回り~空を飛べたなら~ - うさこ

内容紹介
幼稚園では、園長先生がサンタクロースの格好をして、一人ひとりにキャンディーを手渡してくれたこと。
あの時の私は、そのキャンディーの包み紙を暫く捨てずにポケットに忍ばせておきながら、時々取り出しては宝石を眺めるような目で見つめていた。
なにを思いながらそんなことを繰り返していたのだろう。
こればっかりは、あの頃の自分に直接聞いてみないと真相は分かりそうにない。
低い視線で生きていた私には、なにもかもがキラキラして見えていたんだろうか?
ごく当たり前のものが当たり前ではなく、毎日が新しい世界を形成していたのかもしれない。
そう思うと現在の自分が惨めに思えて仕方なかった。
第10回星の砂賞【審査員特別賞】受賞作品
「過去」
「現在」
「未来」
皆、それぞれが
何かを抱えて
生きている。
編集部より
誰もが感じる不安を、主人公の椛を通して描いた珠玉の名作。
人の内面に切り込んだ作品の中でも「星の砂」屈指の名作だと思います。
ラストまで読み切って、もう一度タイトルを見返してみてほしいです。
静かで、力強くて、温かい。
冬にぴったりな物語をぜひご一読ください。

- 作者: うさこ
- 出版社/メーカー: ネット文庫星の砂
- 発売日: 2019/11/26
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