クルージング・ラプソディ - ありしょう
内容紹介
「お前らなぁ……。俺たちは旅行客じゃないんだぞ」
そう、俺たちは客ではない。この大型客船『サンセット・オーシャン』の乗務員なのだ。そしてこれから向かうのは、飛行機なら七時間程で着いてしまうハワイ。それを片道七日間もかけ、五日間滞在したらまた戻って来るという、贅沢な船旅を楽しむ観光客を乗せている。
第18回星の砂賞 審査員特別賞
近年ブームとなっている船旅。豪華客船ともなれば洋上のホテルと言われ、優雅なひと時を楽しめるのだ。
そんな豪華客船の客室係(コンシェルジュ)の見習い、夏川廉(なつかわれん)には、思いを寄せる女性がいた。先輩コンシェルジュの柊彩夏(ひいらぎあやか)だ。
そんな廉に片思いの宝来舞花(ほうらいまいか)と、その舞花に思いを寄せる廉の親友、吉住幸生(よしずみこうせい)。
四人は豪華客船『サンセット・オーシャン』の乗務員としてハワイへと向かう。
おっとりとした性格の彩夏に振り回される廉だが、彼も認める上司の中川亮一(なかがわりょういち)が彩夏に急接近。そして舞花が廉に思いを伝える。
順風満帆な船旅のようにはいかない恋愛模様に、廉と彩夏は……。
コンテスト特別審査員・芥川賞作家の三田誠広先生より(抜粋)
豪華客船の乗務員をめぐる軽いタッチの恋愛物語。業務の細部がしっかりと描かれていて飽きさせない。(中略)豪華客船の細部の描写は秀逸で、読者はまるで自分がその船に乗っているような気分になることだろう。
編集部より
三田先生の選評にもある通り、まるで自分が豪華客船に乗っているような気分になれる、臨場感溢れる描写が魅力です。
船上を舞台に繰り広げられる人間模様はどこへ向かうのか――大人の読者の方に特におすすめの一作です!
- 作者:ありしょう
- 発売日: 2020/03/25
- メディア: Kindle版