2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧
降ってくるもの- 如月 灯名 内容紹介 ある日、僕はいたずらを思い付きました。 桜の木に登って上の方から人の頭にいろんなものを降らせること。 みんなをびっくりさせてみたかったのです。 第1回童話と絵本コンテスト 審査員特別賞受賞作品『降ってくるもの…
ギャルバン♪ - 滝沢朱音 内容紹介 「三好さん、すごいね!」 「ベースやってたんだ。うますぎ」 ざわざわしてる中、曲は中盤にさしかかり、ド派手なドラム ソロに突入。 吹奏楽部の他のメンバーたちは手を止め、それぞれの楽器をリズムにあわせて揺らし、ス…
望遠鏡の向こう側- 如月 灯名 内容紹介 「翔太、まぁた望遠鏡覗いてるの?好きねぇ。」背後から呆れたような声が聞こえてきた。僕はそれを完全無視。レンズを覗き続ける。「翔太は、望遠鏡に取り憑かれてるな…………」僕は場所を固定して、ピントを調節するレバ…
蛍- 猫ケモノ 内容紹介 蛍が舞っている。 私は歩くのをやめ、橋下を流れる川へと眼をやった。薄暗い薄に覆われた川から、明滅する光があがってくる。 翠色のその光は、美しくもどこか儚く頼りない。 まるで、人の命のように――。 彼女と蛍を見た幼い日々のこ…
二槽式洗濯機- 矢口 葵 内容紹介 都心から電車で3時間の所にあるひなびた田舎町。そこに、母子二人で暮らす宇田川家があった。母は遅くに結婚したので既に70歳を過ぎ、家の裏で畑仕事なんかをコツコツとやりながら暮らしている。父は数年前に病気で亡くなっ…
仮面カノジョ- 矢口 葵 内容紹介 「ねー玲奈、お願いがあるの!」 ロングヘアを揺らしながら、スタイル抜群の美脚を惜し気もなく晒したショーパン姿で私の教室に飛び込んできたのは親友の美穂だった。 この春から入学した京院大学で偶然隣に座った彼女とはす…
ブアメードの血 - ヒビ・ヒビキ 内容紹介 「殺す……殺してやる」 刃物が肉を切り骨を絶つ。赤い鮮血が降りかかるが、気に留めない。 ただひたすらに本能の赴くままに、肉を切る。 第17回星の砂賞【佳作】受賞作品ある一軒家で四肢、頭部が切断された女性の死…
透明少女と恋の花 - 猫ケモノ 内容紹介 あの日、俺は大切な人を守れなかった。 俺の眼の前で、姉さんは消えてなくなってしまったのだ―― 第14回星の砂賞【審査員特別賞】受賞作品透明症候群――極度のストレスを感じることにより、人体を構成する分子が減少、姿…
それは奇跡から始まった。 - 神在琉葵 内容紹介 奇跡……それは滅多なことでは起こらないもの。 少なくとも、僕の身にそんなことは起きないと思っていたし、そもそも奇跡なんてものは、テレビで見るか、本で読むようなものだと思っていた。 それなのに、ある日…
六月の花嫁- 立花 宗治 内容紹介 この、泣いている六月の花嫁を乗せたのは偶然だった。 一仕事終え、待機所に帰る途中。突如としてトイレに行きたくなったのが始まりだ。 近場のコンビニに入りトイレを借りた後、飲み物を一本とのど飴を買ってタクシーに戻っ…
黄昏喫茶店【最期の家】- 立花 宗治 内容紹介 森田和雄。 彼は有名な富豪だった。 その年齢は八十九歳。 海外にも名の知れた大企業の元社長で、その独特の感性や発言からよくテレビのワイドショー等でコメンテーターとして出演していた。 そんな彼が八十七歳…
絆- 如月 灯名 内容紹介 「今日はみんなで七夕飾りを作りますよ~」『はーい』小さい子達が手を上げて返事する。 僕は看護婦さんから目を逸らせた。 第7回星の砂賞 審査員特別賞受賞作品『絆』 七夕のお話 編集部より お見舞いに来てくれる拓未君にそっけな…
懸賞品- ありしょう 内容紹介 俺は会社勤めを辞め、ネット懸賞で生計を立てていた。 毎日応募するだけの日々だが、下世話な人間関係に悩まされることがなく、まさに天職だった。 そんなある日のこと。俺は『貴方のクローンをプレゼント』という懸賞サイトに…
たくさんのだれかさん- 縁側 内容紹介 近ごろのモモちゃんは、アマエンボウです。 来年の春に、小学一年生になるっていうのに。 それと〝お姉ちゃん〟にも、なるっていうのにです。 パパとママは、「どうしたものか……」と考えていました。 第5回童話と絵本コ…
同級生- 鳳家実秋 内容紹介 私には近所に住む気の弱い同級生がいた。その朝、学校に行くため自転車で家を出ると、家の裏の道で人だかりができていた。 家の裏は川の土手となっていて、そこが私の通学路となっていた。 私も何事かと思い行ってみると、やじ馬…
異世界で二人の願いを叶えるために(1) - 神田翔太 内容紹介 朝起きれば、いつもの高校生活が始まる。 オレはそんななんでもない毎日が永遠に続いていくんだと思ってた。 オレはどこにでもいる普通の高校生。 特別な才能なんてどこにもない。 だけど、もしも…