六月の花嫁- 立花 宗治
内容紹介
この、泣いている六月の花嫁を乗せたのは偶然だった。
一仕事終え、待機所に帰る途中。突如としてトイレに行きたくなったのが始まりだ。
近場のコンビニに入りトイレを借りた後、飲み物を一本とのど飴を買ってタクシーに戻ったのだが……。
見えた光景に、一瞬自身の目を疑った。
タクシーの横に、真っ赤な顔で涙を流す女が立っていたのだ。しかも女は純白のウェディングドレスを着ている。
女は此方に気が付くと、涙を手袋で拭って叫ぶように言う。
「丘の上にある展望台まで、お願いします!」
……
第2回ショートショートコンテスト 審査員奨励賞作品
『六月の花嫁』
6月の大安。
タクシー運転手の朝倉 陸が出会ったウェディングドレス姿の女性。
六月の花嫁は幸せになる……と言われているが、彼女は何故か泣いていた。
編集部より
ジューンブライド……6月の花嫁は幸福になるという言い伝え。
けれどその日タクシー運転手が乗せたのは、涙を流し幸福を祈る花嫁だった。
女の子の憧れる6月の花嫁に起きた、切ない悲劇。
彼女の幸福の結末を見届けるのは貴方です。
- 作者: 立花宗治
- 出版社/メーカー: ネット文庫星の砂
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