帝都で探偵はじめました 弐~幽霊坂の殺人~ - 菱沼あゆ
内容紹介
「ふうん。霊の出る屋敷ね。そういえば、幽霊の出るいいホテルがあるのよ」
「いえあの、幽霊が出る場所を探しているわけではないのですが」
そう夏樹は言ったのだが、
「恐ろしいことにはね……」
と佐和子は語り出す。
「そのホテルのとある部屋に髪の長い女の霊が出るらしいんだけど。そのホテル自体、まだ新しくて、そこで死んだ人間なんていないらしいのよ」
――なにか順番が逆な気がしますわね。幽霊が出ると噂が立ってから、死体が見つかるなんて。
昭和初期を舞台に、名家の御曹司・夏樹と、その義妹・欄子が謎に挑む、昭和レトロ・ミステリ第三弾!
「僕、家出しようかなと思うんだ」
秋も深まってきたある日、夏樹の友人・志津馬が唐突に言い出した。
聞けば、母親に煩わしさを感じているとのこと。
夏樹の義母・巴らを巻き込み話は転び転んで、夏樹たちは知人友人を伴い「幽霊が出る」と噂のホテルへと泊まりに行くこととなる。
風光明媚な山の中のホテルに気分が高まる一同だったが、着いて早々、部屋を案内されているときに死体が発見されてしまう。
「なんで私を犯人にしようとするんです……?」
「せっかくの旅、静かに過ごしたいからよ」
「義理の息子が捕まったら、呑気に旅は続けられないでしょうよ」
「じゃあ、すぐに別の犯人を見繕って捕まえなさいよ」
相変わらずめちゃくちゃな義母の命令で、しぶしぶ事件を調べ始めた夏樹だったが――。
編集部より
好評発売中の「帝都で探偵はじめました」シリーズ第三弾!
"参"巻は電子書籍用に書き下ろしでのリリースとなります!
今回の舞台は避暑地、風光明媚な山間のホテル。
女の霊が出るという噂が立つそこへお馴染みの一同は向かいますが……
義母・巴さんの破天荒さも健在で、今回も"しぶしぶ"探偵役をする夏樹。
ホテルには驚愕の真実が秘められていて――
結末はぜひ、その目で確かめてみてください!
帝都で探偵はじめました 参 ~高原ホテルの殺人~ (ミーティアノベルス)
- 作者:菱沼あゆ
- 発売日: 2020/10/09
- メディア: Kindle版