陽だまりの箱- 徳田マシミ
内容紹介
縁側にいた幸乃が振り向けば、背後には孫の浩次が立っていた。
浩次の両手にはふたつのコップが持たれ、色を見るかぎり中身は麦茶のようだった。
幸乃がとなりに座るよう手で促すと、浩次はわずかに眉を下げ、幸乃の横に腰を下ろした。
同時にコップをそっと手渡し、幸乃が含むとそれはよく冷えていた。ふたりはしばらく静かに麦茶を飲み、縁側の爽やかな空気に身をひたした。幸乃が麦茶を半分ほど飲み進めたころ、ぽつりと浩次が言葉を発した。
第5回ショートショートコンテスト 審査員特別賞受賞作品
『陽だまりの箱』
縁側で孫と一緒に優しい時間をすごす幸乃。
余裕のない世界に与えられる温もりとは。
編集部より
家族を愛するおばあちゃん。寿命も長くはないが家族とのひと時を大切にしている。
孫と縁側で楽しくおしゃべりするが……。
この物語を読み終えたとき、あなたは家族の大切さを再認識する。
- 作者: 徳田マシミ
- 出版社/メーカー: ネット文庫星の砂
- 発売日: 2019/09/25
- メディア: Kindle版
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