スパルタ守護霊のおかげで、恋に仕事にがんばれます! - 秋月ちはね
内容紹介
「なんてことをしてくれたんだ!」
おかしい。わたし、平野つむぎは教授室に呼ばれたはずなのに、目の前にはタコがいる。
真っ赤に茹でられたタコが。
「平野くん、聞いているのかね? みらい建設といえば、新卒生の就職希望ランキングで、毎年十本の指に入る立派な会社だよ。それなのにキミは内定を蹴って……」
まだ続いている。ウザい。みらい建設の内定を辞退したのは王子さまに出会ってしまったからだ。
ベンチャー企業、『ガラクタ流星群』の社長で超イケメンの五十嵐純也さま。運命を感じたわたしが自分で選び取った。しかし分からず屋のタコは説教を止めなかった。
「ベンチャーが成功する確率なんて、宝くじで一千万当たるより少ないんだ。しかもガラクタなんて名前の会社、世の中ナメきっとる」
チャンスはあまねく等しく訪れるが、たいていはそれがチャンスであることに気づかない、という。
わたしには分かる。やっと自分の番が来たのだと。誰にも分からなくていいし、分かってもらおうとも思わない。ましてやタコは一生分からなくていい。早くここから解放してほしいだけ。
「……ったく。キミは我が研究室始まって以来の優秀な学生だったのに。もう二度とここの敷居をまたがないでくれ!」
サヨナラ先生、サヨナラ……。今までお世話になりました。
平野つむぎはイケメン社長の五十嵐に一目惚れし、超有名企業の内定を辞退して弱小ベンチャー企業である『ガラクタ流星群』に就職した。が、恋愛初心者のつむぎの思いはなかなか彼には届かない。
そんなある日、交通事故に遭ったつむぎは生死をさまよった末、亡くなった祖母の守護霊が視えるようになる。バーチャームンと名乗るその守護霊は辛口のアドバイスで、つむぎの恋を導いていくのだが……。
編集部より
ミーティアノベルス完全書き下ろし作品!
ベンチャー企業、『ガラクタ流星群』の社長に一目ぼれして就職してしまったつむぎ。
ダメ出しを受けながらも自分なりに頑張ろうとしていた矢先、交通事故に遭い生死の境を彷徨います。
現れたのが守護霊・バーチャームン。バーチャームンの救いの手により一命を取り留めたつむぎは、その後も彼女の助け舟で困難な仕事を切り抜けていきます。
そして社長との恋にもバーチャームンが相談に乗ってくれて……? ぜひお読みください!