「鍵使い」 - 関谷俊博
内容紹介
僕は全ての記憶を失っていた。僕は誰だろうか。
「鍵使い」
呪文を唱えるように、医師は口にした。
「鍵使い…何だ、それは」
「何って…あんたが言った言葉だろう。こっちが聞いてるんだろうが」
医師の言葉が急にぞんざいになった。苛立ち始めたようだ。鍵使い…何かを思い出せそうな気がしたが、頭が酷く痛み始めた。
第15回星の砂賞 審査員特別賞
記憶を喪失した蓮は、妻を名乗る凛子と奇妙な共同生活を始める。
ウサギや太陽、空や雲をスケッチブックや窓ガラスに描き始める凛子。そんなとき入った一本の電話。
「私だ…鍵使い…仕事だ」
壊れてしまった心。それでも寄り添い合う二人。哀しみは透きとおり、海の風に舞っていく。
編集部より
謎めいた呼び名、「鍵使い」の意味とは。
失われた記憶に隠された主人公の秘密とは。
読み進める手が止まらない作品です!
- 作者: 関谷俊彦
- 出版社/メーカー: ネット文庫星の砂
- 発売日: 2019/09/12
- メディア: Kindle版
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