電子書籍「ネット文庫星の砂」

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「偽物聖女だと追い出されましたが、聖獣様がモフモフにした騎士様に溺愛されてます」 - 氷雨そら

偽物聖女だと追い出されましたが、聖獣様がモフモフにした騎士様に溺愛されてます - 氷雨そら

内容紹介

「失礼いたします」
 ドアを開けて、すぐに飛び込んできたのは、まばゆいばかりの白いモフモフだった。
(わぁ……。なんだか、呪いというにはずいぶん可愛らしい)
 黒地に繊細な金糸の刺繍が施されている王立騎士団第一部隊の制服を着ていることから、この人が先ほどメアリーが言っていた、呪いを受けた騎士様だとわかる。
――二足歩行の狼は、柔らかそうな毛並みをしていた。
 とがった鼻先と三角の耳に、鋭い牙が覗く大きな口。白銀の毛並みに覆われた姿は、絵本で見たことがある狼そのものだ。
 騎士様は座っているけれど、きっととても背が高いのだろう。椅子が低いわけでもないのに、大きく曲げられた膝がどこか窮屈そうにしているその人は、なんだか迂闊には近寄りがたい高貴な雰囲気を漂わせていた。
(……胸がキュンとして苦しい。なぜかこの時を待ち望んでいたような、懐かしくて触れたくなるような、この気持ちはなにかしら)
 思わずじっと見つめてしまったことに気づき、あまりに失礼な自分の行動を恥じた。
「……まもなく神殿長が参ります。よろしければお茶をどうぞ」
 白いモフモフした狼姿の男性が、目を見開く。
(なんて綺麗な色をしているのかしら)
 その瞳は、樹氷みたいなアイスブルーをしている。
「……お構いなく」
 当然ながら、その声は沈んでいる。

 
 伯爵令嬢で聖女として国に尽くしていたのに、偽物だと追い出され、辺境の地の神殿で下働きとして暮らしているルーシアは、今日もご機嫌で洗濯物を干していた。
 ある日、神殿長から来客者の対応を言いつけれたが、どうやら相手は魔獣に呪われた騎士ということだった。少しでも呪いが和らぐようにと祈りを込めた月光花のお茶を淹れて応接間を訪れると、そこには人間と狼が混ざったような姿をした騎士がいた。
 その日の仕事終わりに神殿長から呼び出されると、そこには例の呪われたもふもふの騎士様が。名はアースというらしい。何か粗相をしてしまったかもしれないと思ったルーシアだが、呼び出された理由は別にあった。
 ルーシアが対応した時に変わったことはなかったかと神殿長に聞かれ、同じ月光花茶を淹れたが、神殿長は決め手に欠けると首を傾げる。
 先ほどと同じことといえば…と、ルーシアはアースから「手を握る許可」を求められ、素敵な毛並みの手に触れられるがやはり何も起きない。どうしたのかと手を離して少し経つと……目の前には完璧な美貌の騎士の姿が!
 どうやらルーシアがアースに触れた分だけ彼は元の人間の姿に戻るらしい。アースの呪いを解くカギとなったルーシアは、彼と共に追い出された王都に再び戻ることになった。
「そうだ!騎士団で下働きをさせていただけないかしら!」
 かくしてルーシアは王都の騎士団で大好きな下働きをしながら、アースの呪いを解く手助けをすることになったのだった。

 

編集部より

 人気作品がミーティアノベルスに登場!
 聖女として国に尽くしていたのに、偽物だと追い出され、辺境の神殿で下働きをしていたルーシアはある日、狼頭の騎士・アースと出会います。
 彼は魔獣の呪いを受けて半獣半人のような姿に変えられており、ひょんなことからルーシアが触れると一時的に呪いが解けることが判明。
 アースの呪いを完全に解くため、ルーシアは、彼とともに王都へと舞い戻りますが……?
 モフモフな姿となった美貌の騎士団長様と、無自覚聖女な下働き伯爵令嬢ルーシアのファンタジーラブコメをぜひお楽しみください!

 電子書籍版では書き下ろしを追加!
 ルーシアによってパワーアップした騎士団のドタバタ劇や、本編後の甘ラブなアースとルーシアを描いた全3本が収録されています。
 未読の方はもちろん、WEB版をお読みの方もぜひお楽しみください!
 

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