義妹にすべてを奪われ虐げられた令嬢は、隣国の王子に溺愛される - 音無砂月
内容紹介
「この度は突然の訪問、すまない」
そう言って頭を下げる銀色の髪に紫水晶をはめ込んだような美しい瞳を持った、美しい青年。
「私はエストレア王国王太子、カーティス・クロード」
そう言ってカーティスは銀時計を見せた。そこには双頭の龍が彫られていた。間違いない。これはエストレア王国の国章であり、王族だけが持つことを許されているものだ。
「後ろに控えているのは私の専属騎士、ガルーシア・ジョン・アルバーノ」
黒色の髪と瞳を持つ青年は軽く頭を下げて、ソファーに座る父、驚きに目を見開くアンドレア、頬を紅色に染めるベティに冷たい視線を向けた。
「よ、ようこそ。カーティス殿下」
顔を引き攣りながらもマウロは何とか声を発することができた。
スチュワート公爵家嫡女ダリアは五歳で母親を亡くし、そのすぐあとに父親の愛人で娼婦だったアンドレアとその子供ベティと家族として過ごすこととなった。
義妹のベティは事あるごとにダリアの物を欲しがり、ダリアが拒否すれば大声で泣き、父とアンドレアを味方に付けて、ダリアを悪者にする。それが積み重なり、ダリアはアンドレアとベティから虐められ、冷遇され、酷い虐待まで受けるようになっていった。ダリアの父親は愛するアンドレアとベティの味方で、ダリアの言い分を信じない。使用人はクビになることを恐れ、保身のためダリアの現状に見て見ぬふりを続けていた。
そんな彼女に自国の第二王子との婚約が持ち上がるが、ベティはあの手この手でダリアから婚約者を奪おうと画策してくる。そして彼もベティの口車に乗りダリアと距離をとるようになってしまった。
頼れる者も味方もいない状況で何の望みも希望もない中、それでもダリアは自身の誇りだけは失わずに生きていた。
そんな折、公爵家に突然隣国エストレアの王太子がやってきた。彼はダリアがエストレアの王位継承権の持ち主だと言い――!?
編集部より
人気作品がミーティアノベルスに登場!
実母を亡くした令嬢・ダリアは、継母と義妹に虐げられて過ごしていました。
どんなに虐げられても心までは屈しなかったダリア。
やがて12歳のときに婚約者となった第二王子へ、この現状から連れ出してくれると希望を抱きます。
しかし義妹はあの手この手でダリアから婚約者を奪おうと画策し……
電子書籍版には書き下ろしの番外編を収録。未読の方はもちろん、WEB版をお読みの方も不遇な公爵令嬢の逆転劇をぜひお楽しみください!