最後のふくぶくろ - たんぼず 内容紹介 「ばっちゃ、なに作ってるだ?」 「ええものじゃよ」 秋になるとちゃぶ台の上に竹やドングリを広げたばっちゃは、毎年決まってそう言う。 ぼくが育った土地はわりと自然が豊かな、いわゆる田舎というやつで。日が暮れ…
押し入れのなかに - たんぼず 内容紹介 「見ろよ! アクアーンGETしたぜ!」 「すっげ~!」 放課後になるとクラスメートたちはゲームやマンガの話で盛り上がるんだ。小学3年でもゲームとかケータイを持ってるのは珍しくない。 (でも、ぼくは関係ない……) …
君と私のリンカーネイション(1) - 北川葉 内容紹介 「アナタは猟奇殺人事件の被害者ヨ。バラバラの死体から蘇った人間ナノ。あなたはリンカーネイションされたのヨ」 「リンカーネイション?」 人は死んでも甦る――都内の公園で記憶喪失者として保護された男…
カンケン!- 因幡 雄介 内容紹介 吐く息が白く濁った一月の中旬。 バスから下りた先にあるのは地元の商工会議所。高校二年生になって初めて行く場所は、別に何か就職のコネにしようとか考えてきてるわけじゃない。あそこが《漢字能力検定》の試験会場だから…
おじいちゃんの忘れもの - 美山 幸 内容紹介 「おじいちゃんなんか嫌い!どうして分かってくれないの。そんな頑固だから、周りから人が離れるんだよ」豊は、そう叫ぶと、障子をピシャリと締めて、祖父の家をあとにした。 第3回ショートショートコンテスト 審…
蛍が舞う -まんぼう 内容紹介 子供の頃、夏休みの楽しみと言えば、母の実家に遊びに行く事だった。 当時は何回も電車を乗り換えて行った記憶もあり、見渡すばかりの田圃だったので、かなりの田舎なのかと思っていた。 第16回星の砂賞 審査員特別賞『蛍が舞う…
空の破片 - 神在琉葵 内容紹介 どれほど時が流れようと……。 僕が罪を犯したってことは事実なんだし、そのことを知ってる人は必ずどこかにいて、ご親切に上司に報告する人もいて……。 残念なことだけど……でも、仕方のないことだ。 だって…悪いのは僕なんだから…
なんと呼べば良いですか?~ - 奈木野ここち 内容紹介 日が落ちるのが早くなり、いつしか蝉の大合唱が消えつつある。 私は学校が終わると、図書館へ向かう。木造建ての図書館の壁のペンキは所々剥げ落ちている。 第4回朗読cafe朗読賞『なんと呼べば良い…