この恋は、偽物だ。「イッセンチメートルの恋」 - 奈木野ここち

イッセンチメートルの恋- 奈木野ここち

内容紹介

「さむっ……」
校舎を出ると、冷たい北風が頬を叩きながら通り過ぎた。
私が寒いのは、季節が冬だからではない。元カレが今カノと手を繋いで、目の前を通り過ぎたから。好きな人が出来たから別れようといわれたのは一ヶ月前。お前は感情を表に出さないから分からないとかって言われたんだ。彼女は感情を出してくれるんだ……。言いたいんだけど、感情は、あるんだよ。ただ、出ないだけで。
土間を出ようとしたら、大きな丸い影が目に入った。

　
第5回朗読ｃａｆｅ朗読賞受賞作品

『イッセンチメートルの恋』

ひょんなきっかけで付き合う事になった私達…… それは形だけのもの この距離を縮める事が出来るのか誰にも分からない

編集部より

彼氏に振られてしまった私に声を掛けてきたのは、元カレの今カノに片思いをしていて失恋してしまったらしい、「赤城」。
赤城は私に「三か月だけ付き合う」という契約……偽物の恋人ごっこを持ちかけた。

失恋した二人が、偽物の恋をして傷を癒そうとするけれど、気が付けばその恋は本物に……？
切ない恋から立ち上がる二人を導く新しい恋を見守って！

イッセンチメートルの恋 (ネット文庫星の砂)