あたたかな贈り物 - 神在琉葵
内容紹介
(これからどうしよう……)
道端の岩に腰掛け、ラルフは深い溜息を吐きました。
空の色は薄紫から青い色に変わり、そして、今はまた赤いものに変わろうとしています。
早く帰らなければいけないことはわかっていながら、ラルフはその場からなかなか動けないでいました。
疲れたせいではありません。
病気のお母さんに薬を買うためのお金を工面しに来たのですが、誰からも借りられなかったからです。
お母さんは、寝ていれば良くなると言いましたが、日を追うごとにお母さんの病状は悪化していきました。
第1回童話と絵本コンテスト審査員特別賞受賞作品
『あたたかな贈り物』
子供の頃に読んだ海外の童話のイメージで書いてみました。
親孝行な少年ラルフの、ちょっと不思議なお話です。
編集部より
家族想いの心優しい少年ラルフは、重い病気を抱える母親の薬代のために、森の奥に住む魔女の家へ。
魔女は、人々の大切なものを高値で買い取ってくれるという噂があった。
優しいラルフが薬代のために魔女に差し出したのは……「幸せな記憶」だった。
優しい少年だったラルフは、魔女に記憶を奪われたことで、優しい心も失ってしまいます。
しかし、ラルフが家族を思いやっていたのと同じように、母親も、妹のエイミーも、ラルフを思いやっていました。
冷たく凍ってしまった少年の心に寄り添う、あたたかいハートフルストーリー。
- 作者: 神在琉葵
- 出版社/メーカー: ネット文庫星の砂
- 発売日: 2019/08/07
- メディア: Kindle版
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