願いを叶える不思議な靴に導かれて……。「赤い靴」 - 神在琉葵

「あなたは自由でいいわね」
独り身の私が良く言われる言葉。
だけど、それが本心じゃないことは目をみればわかる。
彼女達の目は私を蔑んでいる。
可哀想な寂しい女だと……。
悔しいけれど、本当のことだから何も言い返せない。

　
第12回星の砂賞審査員奨励賞受賞作品

『赤い靴』

マギーには心の奥底に封じ込めた辛い過去があった……。
　

歳を取り、愛する人もいなければお金もない、寂しい日々を過ごすマギー。
憂鬱ばかりの日々のある日、マギーが出会った不思議な赤い靴は、「行きたい場所へ導いてくれる」という……？

不思議な赤い靴の力を借りて、いつも通りの日々では経験できないような旅を堪能するマギーは、いつかの辛い過去と向き合う決心をします。
そこでマギーが知った、辛い過去の真実。
孤独なマギーを導く赤い靴と、優しくて暖かい、その結末とは。