「我が愛し子を直ちに保護せよ」と知らぬ間に大騒ぎになっていました - もちまる

内容紹介
「フィリス! 本当にあなたはお転婆ね」
優しく微笑みながら、私の頭についた葉っぱを取ってくれるお母さま。
「まあまあ、元気なのはいいことではないか。それでこそローズベリー男爵家の後継者だ」
豪快に笑いながら頭を撫でてくれるお父さま。
「旦那様、支度が整いました」
「うむ。さあ行こうかフィリス、お前の六歳のお祝いをしよう」
「はいお父さま!」
お父さまとお母さまと手を繋ぎ屋敷の中に入っていく。そんな私たちの様子を優しく見守る使用人たち。
「あなたは世界で一番大切な私たちの宝物よ」
「クロエの言う通りだ。お前は私たちの宝物だよ、フィリス」
十年前の懐かしい、泣きたくなるような優しい記憶。
そんな優しい世界が壊れてしまったのは、その翌日のことだった。
六歳の誕生日を迎えた男爵令嬢フィリスは、『精霊王の愛し子』にしか成し得ない4人の精霊と契約を交わした。しかし、愛し子の能力である精霊の可視化ができなかったことで、それまで優しかった両親から「嘘つきだ」「気狂いだ」と罵られ、部屋に閉じ込められてしまった。
そうして、フィリスが両親や使用人に見放され部屋に閉じ込められたまま10年が経ったころ、『精霊王の愛し子』を名乗る公爵令嬢が現れ、国中が歓喜に沸いた。
しかし、精霊王を祀る神殿に『我が愛し子を直ちに保護せよ』との神託が降りたことで、国中が混乱する事態へと発展し――。
これは精霊王の愛し子を巡り奔走する人間と精霊の物語。
編集部より
人気作品がミーティアノベルスに登場!
フェアリアル王国の精霊王を祀る神殿。『我が愛し子を直ちに保護せよ』と突如精霊王からのお告げがもたらされました。
そのおよそ十年前。六歳の誕生日を迎えた男爵令嬢フィリスは、何もわからないまま四大精霊と契約を結びます。そして彼女は、約二百五十年ぶりとなる〝精霊王の愛し子〟として、フィリスは国中から大切にされるはず……でした。
両親からは疎まれ隔離され、精霊王の愛し子を名乗る別人が現れ、さらには精霊王からのお告げも下される。周囲が大騒ぎになったフィリスの運命は……?
電子書籍限定の書き下ろしでは、一連の騒動を精霊王視点で追加。精霊王は人間たちをどんな気持ちで見つめていたのか?そして、フィリスとの結末は――?
未読の方はもちろん、WEB版をお読みの方もぜひお楽しみください!
