再起、それでも空は青かった~ヒキコモリ卒業も野球だった~ - 湯来あきよし
内容紹介
「宮崎、てめぇ、三振しろ、三振だ!!」
地元、名古屋にある私立愛名高校は大嫌いだ。特にこの宮崎利一は大、大嫌いだが……、正直に言えば気になって仕方ない。
ネズミ色のカーテンで閉め切っている室内は薄暗いが、その隙間からは、わずかな日が差している。それさえも眩しく感じられて、明るさに嫌悪感があった。
髪やひげが伸び放題の球児は、独り言が多くなっていることにも気づいているが、どうしようもできない。それを意識すればするほどむなしくなった。
中学のとき、有名野球チーム『セントラル倶楽部』で活躍した球児は、誰よりも将来を期待されていたが、現在は高校へも行かず、部屋で引きこもっていた。
そんな彼の元へ、倶楽部の先輩で元プロ野球選手の浅尾が、荷物を届けにやってくる。今は宅配業をやっているそうだ。
浅尾に誘われ、久し振りに明るい時間に外へ出た球児だったが――。
編集部より
スターダストノベルス書き下ろし作品!
中学の頃はエースで四番として活躍していた球児は、ある出来事がきっかけで野球どころか高校にも進学せず引きこもっていました。
やる気を失い、太って体力も無くなった球児。かつてのチームメイトが活躍する様を目にし、暗い気持ちがせり上がってきて……?
夢を見失った青年の「再起」物語をぜひお楽しみください!