OL辞めて、ミル・タンドレスでシェフを始めました - 黒石よう
内容紹介
「着替えてきました。これでいいでしょうか?」
するとオープンキッチンのカウンター下から、モデルのようにすらっとした長身男性が顔を出した。
(きれいな人……)
光沢のあるやわらかくて明るい髪に、切れ長の目。彫が深く、ファッション誌でしか見られないそのハンサムな顔立ちに、思わず目が奪われてしまう。美術館にあった中世の若い貴族の肖像画を思い出した。
この人が、噂のシェフなのだろうか。確かに三ツ星級のイケメンだ。
「ようこそ、ミル・タンドレスへ」
憧れの先輩と親友が結婚したショックで、勤めていた商社を退職した藤原まりか。職安通いの途中、訪れた老舗の懐石料理屋で店員からうけた料理の説明と実際に出された味に違和感を覚え指摘したところ、店員とトラブルになってしまった。客として居合わせた謎の老人に助けられ、「君は『天使の舌』を持っている」と、自分の味覚力を褒められ、さらにはシェフをやってみないかと誘われたのだった。
商社OLから一流料理人への華麗なる転身。
希望に満ち溢れ、高級レストラン、『ミル・タンドレス』で働き始めたまりかだったが――。
悪戦苦闘しながらも、奇跡のような一皿で、出会う人々の悲しみを癒して幸せに導いていく。美味しくて素敵な物語が幕を開ける。
編集部より
ミーティアノベルス書き下ろし作品!
憧れの先輩と親友が結婚したショックで、藤原まりかは勤めていた商社を退職。
求職中に訪れた老舗の懐石料理屋で、ひょんなきっかけから高級レストラン『ミル・タンドレス』でシェフとして働き始めることになります。
先輩の天才イケメン料理人・柊理料に指導されながら、まりかは料理を通じて様々な人々と出会い……。
美味しくて素敵な物語をぜひお読みください!