いきおくれ令嬢は、クールな騎士様の溺愛に翻弄されています - 星月姫薇
内容紹介
「ごめんなさい、お父様。せっかくのお誘いなのですが、わたくし急いでむ――」
村に行かなくては行けないのです。と言おうとしたのに、お父様の背後から入ってきた人を見て口が止まった。誰か、ここで話すことを中断した私を褒めて欲しい。
お客様に仕事のことを知られるなんて、あってはいけないことだ。たぶんセーフだよね……。
「い、急いで行かなくてはいけない場所があるのです」
そう言い直したのだけれど、私の視線はお父様の背後に釘付けだ。
お父様よりも高い身長のお客様。スラッとしていて整った顔をしている。お兄様に見慣れている私でもかっこいいと思ってしまう程に。
サラサラとした黒髪は、くせなんてどこにもなく丁寧に整えられている。そして、ロイヤルブルーの瞳が私を見ていた。
着ている服もとても似合っている。黒のマントに騎士の服――、えっ? 騎士の服?
よく見てみると、左の胸元には王都騎士団のエンブレムが付いている。王都騎士団で黒の騎士服と言ったら、まさか……。
失礼になるとは分かっていても、お客様をまじまじと見てしまった。だって、この人は――。
「――私と、結婚してください」
紅茶とお菓子が大好きな伯爵令嬢シェリルのもとに、突然結婚の話が舞い込んできた。相手は社交界で誰もが憧れる騎士団の副団長であるエドアルド。地位も権力もある彼からの求婚だったけれど、結婚に興味がないシェリルはキッパリと断った。――はずだったのに。
クールだと噂されているはずのエドアルドは、シェリルにだけ紳士で甘くて……。三日おきにお茶会をしにやってくるエドアルドに、シェリルは次第に惹かれてしまう。
これは、恋よりも趣味を楽しみたい令嬢シェリルが、クールなはずの副団長エドアルドから熱烈なアピールをされ翻弄させられてしまうお話。
編集部より
人気作品がミーティアノベルスに登場!
王子様のようなイケメンの兄を持つシェリルはその環境ゆえに理想が高くなり、縁にも恵まれず婚期を逃してしまいます。
いまさら理想の相手に出会えるとも思えずもはや結婚を諦めていたシェリルですが、王都騎士団の副団長・エドアルドに突然求婚され――?
電子書籍版では書き下ろしを追加!
結婚初夜の甘くてとろける夜のお茶会を追加。さらに、シェリル視点で、ふたりが出会った夜会を番外編として追加収録。
未読の方はもちろん、WEB版をお読みの方もぜひお楽しみください!