公爵令嬢は、婚姻なんて面倒くさい - 香月しを

内容紹介
「お父様、前々から言おうと思っていたのですが……」
「…………なんだ?」
「このまま一生面倒みてもらえませんかね」
「…………」
父の眉間に深い皺が寄った。自分も負けじと眉間に皺を寄せる。いつも小難しい顔をしていると言われ、私の眉間の皺には定評がある。
「条件に合った相手が見つかれば、私だって結婚する事は吝かではないですよ。でもね、そのたったひとつの条件を満たす方がどこにも見当たりませんのでね。一生独身かしら、と」
「その条件とやらを、お聞かせ願えるかな?」
「ええ、いいですよ。生活の質は落としたくないので資産は最低でも我が家程度、女嫌いで無愛想、立場上結婚しなければならないだけで、結婚したからといって妻に何か特別なものを求めようとはしない、顔立ちが平凡で地味な、私を自由にさせてくれる人、ですね」
「ひとつじゃないよね」
公爵家の次女であるクラーラ・フゴーリスタは、将来は実家に面倒を見てもらいたい面倒臭がりな令嬢。実は前世の記憶持ち。ある日王室から名指しでお茶会への出席を命じられ、そこで最悪の出会いをしたのは女嫌いで有名な第三王子のフランシスだった。
第一印象はお互い最悪だったが、王命により婚約させられる。話してみるとお互いの結婚の条件に合いすぎて、次第に心も惹かれあっていく二人。デートをしたり魔女に狙われたりの、ドタバタラブコメディ。
編集部より
人気作品がミーティアノベルスに登場!
面倒臭がりな令嬢クラーラと、女嫌いで有名な第三王子フランシス。一見、交わりそうもない二人ですが、意外にも相性はよく次第に惹かれ合っていき……?
本作はテンポの良い掛け合いが特に魅力です。
電子書籍版では巻末特別編として、「二人の新婚デート」を書き下ろし!
初読の方はもちろん、WEB版読者の方もぜひお楽しみください!