この度、悪態侯爵の花嫁捜しを仰せつかりました - 秋桜ヒロロ
内容紹介
「この際だから言わせてもらいますが、今日のお見合い相手に対する態度! アレはなんですか!」
「アレ?」
「可哀想とか思わなかったんですか!? 言い過ぎたな、とか、反省しなかったんですか!? 大体、声楽が得意だと書いていたのは見栄をはっていただけですよ! おしろいをはたいてきたのは、スタン様にいいように見てもらいたかったからじゃないですか!」
「いや、しかし。俺はあらかじめ……」
「確かに、許可なくおしろいをはたいてきたあちらに問題がないとはいいませんが! そもそも、女性にとって化粧は服と同じようなものです! 身だしなみです! それを『自分を偽っているから』と許可制にするのはどうかしてると思います! スタン様は服を着るなといわれたら服を着てこないんですか! 服を着ることを許可制にされたらおかしいと思いませんか?」
「それは……」
「おかしいと思いますよね? 当たり前ですよね? 女性にとってのすっぴんは裸と一緒です! 化粧せずに来いというのは、そういうことですからね!」
“――あぁもう、無理!! あんな人の結婚相手なんか見つかるわけないじゃない!”
様々なところへ顔が利き、情報通な男爵令嬢レベッカ・テイラー。
彼女はその情報網を活かし『お見合い請負人』として名を馳せていた。レベッカに頼めば「自分に合った結婚相手が必ず見つかる」ともっぱらの評判で、成婚率はゆうに八割を超えるという。
しかしレベッカ自身は恋愛経験ゼロ。しかも、『お見合い請負人』だって自らが始めたことではなかった。それでも依頼者の喜ぶ顔を見るのが嬉しくて、結婚相談所もどきのようなことを続けていた。
ある日、そんな彼女の元に一件の無理難題が。悪名高き『悪態侯爵』の花嫁を見つけて欲しいと頼まれたのだ。
『悪態侯爵』とは、人を見ればすぐに悪態をついてしまうスタン・クロフォード侯爵に付いたあだ名。
そんな彼の花嫁探しを仰せつかったレベッカ。だが当の本人は「結婚は不要」とまったく相手にしてくれない。なんとかして見繕った相手に会わせてみても、その悪態で女性を泣かせて帰してしまう始末だった。
しかし『悪態侯爵』と関わっていく中で、レベッカは彼の意外な一面を知ることになり……?
編集部より
「ミーティアノベルス」書き下ろし、恋愛経験ゼロ令嬢×毒舌侯爵のラブファンタジー!
顔の広い男爵令嬢レベッカは、いつしか「お見合い請負人」という二つ名で呼ばれるようになっていました。
そんなレベッカのもとに、「悪態侯爵」の結婚相手を見つけてほしい最も厄介な舞い込んでくることに。
悪態侯爵ことスタン・クロフォード侯爵は、どんな嘘も絶対に許せないという人物。プロフィールや発言や嘘を感じた途端に相手を激詰めします。
スタンのもとを泣きながら去っていった相手は数知れず……果たして「お見合い請負人」レベッカは彼の結婚相手を見つけることができるのでしょうか!?
そしてレベッカ自身の恋愛は……それはぜひ、お読みになって確かめてください!