冷酷魔術師の妻となり、心を知る - 雫まりも

内容紹介
ウルリクは表情と言葉に表さないだけで、決して氷の心の持ち主などではなかった。人並みか、それ以上に温かく素直な心の持ち主だとイェシカは感じていた。
(今日の夕食はなんだろう? 最近忙しくて家で食べられなかったから、楽しみだな。イェシカとも久しぶりに一緒に食事が出来て嬉しいな)
無表情の冷酷魔術師が心の中ではこんなことを考えているなんて、イェシカ以外の誰も知らないだろう。今日はウルリク様のお好きなエビとキノコのクリームスープがありますよ。ウルリクの心の声を聞いたイェシカは心の中で、そんな風に返答していた。
冷酷魔術師と呼ばれるウルリクと結婚したイェシカには心の声が聞こえるといった不思議な力があった。
「蜂蜜たっぷりのミルク!美味しくて好き」
「イェシカと一緒に食事ができて嬉しいなあ」
彼からはたびたびそんな心の声が聞こえてきた。
無口無表情、冷酷無慈悲で“心のない人”といわれているウルリクの心の声は、思っていたものとは大分違った。彼は意外と甘いもの好きでどんな小さなことにも素直に感動する、感情が豊かな人だった。イェシカはそんな彼の心を知っていく。
しかし、イェシカには不思議な能力があることとは別にもう一つ秘密があって……。
編集部より
人気作品がミーティアノベルスに登場!
無口で無表情なために「冷酷」だと思われていた魔術師・ウルリクと結婚したイェシカ。
他人の心の声が聞こえる能力を持っていた彼女に届くのは、なんとも感情豊かで可愛らしいウルリクの本音で……?
電子書籍版では、約4万字の大ボリュームで書き下ろしを追加!
本編から半年後、ウルリクの研究室に新しく助手として加わった人物、ヨエルがウルリクとイェシカに変化をもたらし……。
未読の方はもちろん、WEB版をお読みの方もぜひお楽しみください!