激務の俺は、異世界の地下アイドルを推しにする(1) - クシナダ響
内容紹介
歌い終えると、彼女の頬を一筋の涙が流れ落ちる。
田島は拍手をするのも忘れて感動していた。
見事だ。芽依と比べても、決して引けを取らないレベルだ。何と言っても、その場の空気を変貌させてしまう表現力に圧倒される。
「凄い! これなら、歌で生計を立てられるんじゃないか?」
「五人くらいの前だったら、今みたいに歌えるんです。でも、それ以上の人数だと緊張で声が出しにくくなってしまって……」
「そうなのか……それはもったいないね」
「わたしには、夢があるんです。歌と踊りでみんなを笑顔にする、歌姫になる夢が」
(歌姫か……アイドルや歌手みたいなものなのだろうか )
「俺にだけでもいい! きみの歌を聞かせてくれっ!」
毎日ブラック企業で激務を強いられている田島は、喧噪の中で叫んだ。
秋葉原で活動する地下アイドルにハマり、生きがいを見つけた田島だったが、そのアイドルの引退を知り、ショックで歩いていたら交通事故に遭ってしまう。気が付くと異世界にいた。そこで歌姫を目指す少女ファルマーネに出会い、彼女の夢を応援しようと決めるのだが――。
波乱万丈、サラリーマンの根性で異世界の歌姫をどう育てるのか。これは未来を勇敢に生き抜く、ひとりの男のプロデュース物語!
編集部より
スターダストノベルス書き下ろし作品!
地下アイドルを生きがいにしていたサラリーマン・田島は、事故をきっかけに異世界に転移してしまいます。
そこで出会った少女・ファルマーネの「歌姫になる」という夢のため、これまでたくさんのアイドルたちを見てきた経験を活かそうと決意する田島。やがて歌姫へのステップを踏んでいく田島とファルマーネでしたが、文化の異なる異世界、一筋縄ではいかず……?
異世界×アイドルの一風変わった物語をぜひお楽しみください!