ことろことろ - 関谷俊博
内容紹介
「ことろことろ」は古い童歌だ。鬼ごっこのような遊びでもある。幼い頃、僕はこの遊びを度々やっていた。まず鬼と親を決める。他の子は親の後ろに一列に繋がる。鬼は一番後ろの子を捕らえようとする。親はそれを遮ろうとする。列は蛇の様に蠢く。鬼が一番後ろの子を捕まえたら、今度はその子が鬼となり、鬼は親となる。他の子達の序列は変わらない。つまり鬼が交代する度に、前へ前へと押し出されていくのだ。
第4回ショートショートコンテスト 審査員特別賞
こーとろ ことろ
どの子を ことろ
あの子を ことろ
僕達はいつも五人で「ことろことろ」をやっていた。それは確かなことだ。
だけど「ことろことろ」を始めた時、この日は仲間が六人いたのだ。途中で消えたのは誰か。それは民江さんだった。
編集部より
初めてこの作品を読んだ感想はただただシンプルに「怖すぎる……」でした。
短編ながら星の砂投稿作品では「最恐」かもしれません。ぜひご一読ください!
- 作者:関谷俊博
- 出版社/メーカー: ネット文庫星の砂
- 発売日: 2020/02/19
- メディア: Kindle版