CEOからプロポーズされた理由がわかりません - 結月美鶴
内容紹介
「待ってたよ」
落ち着き払った低音が響く。先刻の入社式でも、何十人もの新入社員の前でその威厳をいかんなく発揮していた声だった。
――この人が、天瀬樹生。
無造作に見えてバランス良くセットされた黒髪、洒落たグレーのスリーピースはスタイルの良さを際立たせる。自分を格好良く見せる術は万事心得ているに違いない。何せ三十二歳の若さで一流アパレル企業「ミルキーウェイ」のトップにいる男なのだ。
そんな彼がいち新入社員の前に立っているのは、一体何故……?
「屋代ゆかり……さん?」
「え? あ、はい」
「いつまでドアノブ握りしめてるの?」
私は部屋の入り口で、ずっと硬直したままだった。
一流アパレル企業「ミルキーウェイ」にやっとの思いで就職したゆかりは、なぜか超カッコいい社長の天瀬に気に入られ、彼の専属秘書に任命される。
「ずっと会いたかったんだ」と、初対面でいきなり抱きしめられたかと思うと、新人には荷が重すぎる秘書業務に悩む日々。
意を決して天瀬に気持ちをぶつけると、切り返すようにデートに誘われ、気付けばプロポーズまでされていた。彼が自分を好きだという理由がどうしてもわからない。反射的に突っぱねたゆかりだったが――。
編集部より
ミーティアノベルス完全書き下ろし作品!
一流アパレル企業「ミルキーウェイ」にやっとの思いで就職したゆかりですが、イケメンCEO・天瀬に専属秘書に任命されてしまいます。
初対面のはずなのに「ずっと会いたかった」と言う彼は、ついにプロポーズまでしてきて……
二人の過去になにかあったのでしょうか? 社長がゆかりを求める理由とは?
その秘密はぜひ、本編をお楽しみください!