あやかしの占い師 ~ハッピーピローが人生を変える~ - 湯来あきよし
内容紹介
何か彼は頼りになりそうだと感じた。
すると、その高山は、「絶対に初めての人には紹介しないのですが、梨絵さんは特別ですから」と前置きをすると、壁際にある戸棚から、どこにでもあるようなネズミ色をした普通の枕を取り出した。
「最近、よく眠れていないようにお見受けします。もし良ければこの枕、『ハッピーピロー』を使ってみませんか?」
――まさか、これを高く売りつけるつもり?
絶対に騙されるものかと、両親の顔を思い浮かべた。
高山に対する信頼度がどんどん崩れていく。むしろ、胡散臭さが漂った。
――インチキ商法じゃない。もう、さっさと帰ろう。
それでも高山は、自らが開発したパッピーピローがいかに素晴らしく人気があるかを力説してくる。睡眠中に暗示やイメージトレーニングをしてくれるので、目覚めとともにプラス思考になり、強運が得られる、と。
都内の印刷会社に勤務する大村梨絵は希望した仕事に就けず、お局からもいじめられて悩んでいた。
パワースポットである浅草で、イケメン占い師の高山に見てもらうと、高価だけどこの「パッピーピロー」と「ピローカバー」ですべてが解決すると言われた。
インチキ商法では?と疑いつつも、お試しで一晩借りたハッピーピローで眠り、翌朝出社すると大嫌いなお局が突然入院していた。
その不思議な「パッピーピロー」の虜になった梨絵は、怪しい占い師の高山の店に足繫く通うようになるが――。
編集部より
ミーティアノベルス完全書き下ろし作品!
印刷会社に勤めながら辛い日々を送る梨絵は、イケメン占い師から「ハッピーピロー」という不思議な枕を薦められます。カバーと枕で11万円もすると聞き、インチキ商法かと疑っていた梨絵ですが、一晩無料でレンタルさせてくれるという言葉につられ借りて帰ることに。
すると梨絵の日常で、「ハッピーピロー」の力を感じる不思議なことが起こりはじめ……?
占い師の正体は? 「ハッピーピロー」の力は本物なのか? ぜひお楽しみください!