左の世界 - 文殊 信
内容紹介
・音の方向がわからない
・片方の音が消えてしまっている
・片方から話しかけても気付かない時がある
・耳鳴りや目眩がすることがある
・交通事故などに遭いやすい
・一目で気付かれることはなかなかない
・原因不明で、有効な治療法もない
・平衡感覚が不自由になることがある
・音が届きづらいことがある
・障害者手帳が貰えない為、証明できない
――白石虎珀が僕、青山龍介と違うところ。
第18回星の砂賞 [高校生部門] 審査員奨励賞
一人でも多くの人に虎珀ちゃんの気持ちを分かってもらえたら嬉しいです。
コンテスト特別審査員・芥川賞作家の三田誠広先生より(抜粋)
障がいをもった女子を温かく見守っている主人公。その主人公を作者自身が温かく見守っている感じがして、好感のもてる作品に仕上がっている。(中略)片目だと遠近感がつかめないのと同じように、耳が片側しか聞こえないと、いろいろと困った状況が出てくる。そういう状況を一つ一つ丹念に描くことで、障がいに負けないヒロインの明るさと、主人公のやさしさが読者に伝わり、作品に大きな魅力を与えている。