悪役令嬢として捨てられる予定ですが、それまで人生楽しみます! - 下菊みこと

内容紹介
「かわいいかわいい私の赤ちゃん、起きましたか? 貴女は今日からセレスト。セレスト・エヴァ・シャロンよ」
綺麗な女の人が私に話しかける。なるほど、異世界転生というやつですか。まさか自分の身に起こるとは。というか日本語なのね。それとも自動的に頭の中で翻訳されてる?
ところで、セレスト・エヴァ・シャロン。どこかで聞いた気がする名前だけど。
……悩んで悩んで数時間。やっと思い出した。友だちが熱弁していた同人乙女ゲーム『聖女は星の夢を見る』の悪役令嬢だ。そうだ、多分間違いない。うちにはパソコンなんてハイテクなものなかったから、ゲームを貸してもらうこともできなかったけれど。めちゃくちゃ語られたから、なんとなくの設定やストーリーくらいは覚えてる。
ということはつまり、私は破滅する運命にあるということか。
……でもなぁ。正直、破滅フラグを回避する努力とか面倒くさいし、そもそも無駄になる可能性だってあるわけで。ヒロインである聖女様がいるのがわかってる以上、聖女ムーブもかませないし。予言者として振る舞ってもいいけどそれで聖女に担ぎ上げられてあとで手酷く捨てられるのも嫌だし。
うん、よし、決めた。何もしないで破滅を待とう。
仮にも公爵令嬢だ。破滅するまでの間は我が世の春を満喫できることでしょう。
前世ではできなかった贅沢な生活を、今こそ!
そうと決まれば、さっさと成長してわがままを言える年齢になりたいな。
公爵令嬢のセレスト・エヴァ・シャロンは、生まれた時に自分が異世界転生したことに気づいた。前世で友達が熱弁していたゲームの悪役令嬢と同じ名前だったからだ。同時に破滅する運命にあると気づいたけれど、破滅フラグを回避する努力なんて面倒くさいし、努力が無駄になる可能性だってある。前世では貧乏だったがゆえにできなかった贅沢なことをして、破滅するまでの間は人生を満喫しようと決意するのだった。
人生を楽しむセレストは、意図せずさまざまな功績を残していき、周りには大切な友人が増え、関係が悪化するはずの婚約者とも関係が良好のままだった。
そうしてゲームのストーリーが始まる年齢まで成長したセレスト。いよいよ断罪までのカウントダウンが始まったと身構えるものの、どうも周りの様子がおかしくて……。
断罪される運命を受け入れたセレストの結末は――!?
編集部より
人気作品がミーティアノベルスに登場!
同人乙女ゲーム『聖女は星の夢を見る』の悪役令嬢・セレスト・エヴァ・シャロンに転生した主人公。
時間もお金もない苦しい生活を過ごしたのち若くして病に倒れた前世。厭世的になっていた彼女は、「破滅するまでの間は我が世の春を満喫しよう」と決意します。しかし彼女が人生を満喫しようとしたおかげで様々な良い影響が出ており……?
電子書籍版では、書き下ろし番外編を5本収録! 未読の方はもちろん、WEB版をお読みの方もぜひお楽しみください!
