ハロウィンの夜の訪問者 - 神在琉葵
内容紹介
「……誰だ、こんな時間に……」
騒々しくドアを叩く音に降りていったのは、午前二時を少し回った頃だった。
「こんな非常識な時間に訪ねて来るのは、君の友達じゃないのか?」
勉強の邪魔をされて明らかに不機嫌な龍之介が、悪態を吐く。
「どなたですか~?」扉越しに俺がそう声をかけると、扉を叩く音は一瞬止んだが、何の返事もないままに、また再開された。
「……ったく……! こんな真夜中に何の用だ!」
「あ……」
第8回星の砂賞審査員特別賞受賞作品
『ハロウィンの夜の訪問者』
ハロウィンの前夜、やって来たのは、全身緑色の河童だった。
何がどうなってるんだ!?
クレイジー過ぎるぜベィベー!
編集部より
ハードロックを愛する山田と、勉強を愛する龍之介。出会いは最悪で、なかなか馬の合わなかった二人。
それでもちぐはぐながらも絆を深めて、二人の貧乏生活は気が付けば七年。
そんなあるハロウィンの前夜……二人の前に訪れたのは、河童の仮装をした男!?
河童に尻子玉を奪われ、意識を失った龍之介を助けるため、山田は河童を探しに行くことに。
ほんの少しだけ不器用な友情のドタバタコメディ!!