潮騒の答え - 鳳家実秋
内容紹介
少年、龍弥はいつも考えていた。海を見ながら、波音を聞きながら。
なぜ《とき》は過ぎるのか。《とき》はどうして流れていくのか。と。
彼は、日々過ぎ去っていく毎日をなげいていた。何かに夢中になっても、ただぼーっとしていても、一日はあっと言う間に終わってしまう。そんな時間の経過をなげいていた。
第6回星の砂賞審査員特別賞受賞作品
『潮騒の答え』
時の流れという、時間の感傷に浸る、14才の少年のひと夏の物語。
心に傷を負った少年が、毎日海を眺め、潮騒を聞き、「なぜ時は過ぎるのか」を問い続ける。
青年たちや友人、そして海との戯れに刺激を受け、その答えを探り出す。
そして14才なりの答えを見つける。
編集部より
海の近くの小さな村。
両親の離婚をきっかけに孤独になってしまった少年龍弥は、祖父と二人暮らしをしていた。
楽しい時間はやがて時が過ぎれば過去になってしまう。そんな時の流れに切なさを覚えながら、龍弥は今日も海を見つめる。
今も、未来も、時が過ぎれば過去になってしまう。それは本当に、切なくて悲しいことなのでしょうか……?
その答えは、きっとこのお話の中で見つかるでしょう。